おえかきが好きになる褒め方は?「上手だね」以外の言葉で褒める方法
子どものおえかきに対して、みなさんはどんな風に声掛けをされていますか?私は、保育士をしながら、そして子育てをしながらどんな風に子どもの絵を褒めたらいいんだろう?と迷うことがありました。今回は、「上手だね」以外の言葉で、子どものおえかきを認める言葉を考察していきます!
- おえかきの重要性
- 子どものおえかきには「思い」が詰まっている
- おえかきで「上手だね」と褒めてはいけないのか?
- おえかきでの声かけは評価だけではない
- 「上手だね」以外の言葉を使ってコミュニケーションをとる
- まとめ
おえかきの重要性
おえかきは、1歳前後から楽しめる遊びです。実は、おえかきを早期から楽しめるようになると、良いことがいっぱいあります。例えば、鉛筆を持って自由自在に動かすことが出来る「運筆力」を培うことなどが挙げられます。この運筆力は、学習に必須の文字学習に大変役立ちます。おえかきをすることは、運筆力の向上に繋がるとともに表現力や自己肯定感もつく、とても有意義な遊びなのです。
子どものおえかきには「思い」が詰まっている
おえかきを始めたばかりの頃は、描けるということ自体が子どもにとっては大きな発見であり描くこと自体を楽しみます。描いているうちに色々な点・直線・曲線・丸などを描けるようになり、次第に描きたいものを描くようになります。この後、自分が感じたことを表現する方法を試行錯誤しながら覚え、オリジナルの絵を描いて表現していきます。
子どもの絵には、その子どもの思いが詰まっています。その思いを共有することが出来るのもおえかきの魅力ですよね。ただ、「上手だね」と褒めるだけでなく子どもの思いをくみ取るような声掛けをすると、子どもはもっとお絵かきを好きになるでしょう。
おえかきで「上手だね」と褒めてはいけないのか?
おえかきを「上手だね」と褒めるのは、対になる「下手」ということを連想するので良くないという意見もあります。私自身、保育士をしている中でこれはたしかに一理あると思う場面に出くわしたことがあります。おえかきの時間の時、好きなように表現することを楽しんでいる子どももいれば、「上手に描けない」と言って手が止まったりする子もいるからです。
子どもに一番身近な親や、子どもの成長の変化を理解できている人は、「上手だね」以外の言葉で、子どもを褒めることが出来ます。これは、子どもにとってとても嬉しいことだと思うのです。例えば、子どもが線を長く描けた!と思っているときに「上手だね」と褒めるのではなく、「わ~長く描けたね!」の方がきっと嬉しいですよね!身近にいる人だからこそ、いろいろな声掛けが出来る特権があるのです。
おえかきでの声かけは評価だけではない
子どもはおえかきを上手だねと言ってもらいたくて描いているわけではないので、評価する言葉を言わなくても良いのです。むしろ、評価するより子どもの想いが詰まった絵を受け止める姿勢が大切なのかなと私は感じています。見たままを描くことだけが、絵がうまい訳ではないですよね。
「上手だね」以外の言葉を使ってコミュニケーションをとる
絵を描きながら、子どもが思ってることや、工夫したところ、子どもも気づいていないけどおもしろいところなどを具体的に伝えると、子どももぐっと喜びます。子どもの絵を評価するのではなく、絵の内容を汲み取ったり、子どもの気持ちを汲み取ることが大切なのです。でも、「上手だね」以外の言葉を使うのは意外と難しいんですよね。そこで、「上手だね」以外の言葉を考察してみました!
おえかきを見た直後に言う言葉は、「おぉ~!」
- おぉ~!
- わぁ~!
- 見せて~
お絵かきを見た直後に言う言葉は、子どもの描いた絵を見たと分かる言葉でOKです。「おぉ~!」と言うだけで、子どもの描いた絵に驚くようなニュアンスが伝わります。また、子どもも絵を見てくれていると分かるので、子どもから何か伝えてくれるかもしれません。
「描いたんだね~!」の言葉がかなり有能
先に述べたように、おえかきは運筆力や表現力・自己肯定感をつけるのに大変有効な手段です。おえかきの重要性を感じているなら、親の気持ちとしてはもっとおえかきをしてほしいと思うものだと思います。なので、子どもがもっとおえかきをしたくなる言葉を使います。そこで有効なのが「描いたんだね~!」と描く行為自体を褒めたり、認めたりする言葉です。この言葉を使うか使わないかで、次の意欲が変わってきます。
子どもの絵の発達に合わせて言葉を選ぶ
子どもの絵は、皆ほぼ同じ道筋をたどって変化を遂げていくということが分かっています。初めは、おえかきをすると痕跡が残ることを知ります。そして、ぐしゃぐしゃとなぐり書きをするようになり、だんだんとダイナミックなものになってきます。そして描きながら具体的な物に見立てたりする中で絵を完成させていきます。そして次第に自分のイメージしたものを描くようになってきます。
幼児期の子どもの絵は、見たままを描くのでなくて自分のイメージを描きます。強く印象に残っているものを大きく描いたり、自分を中心として色々な物との関連性を表現しているのが特徴です。だからこそ、幼児期の子どもの絵は大変興味深く、おもしろいこともいっぱいです。このように、子どもの絵は段階を経て変化しているので、その段階に応じた言葉選びも大切になります。
色合いに着目する言葉
ここからは、具体的な言葉選びを考察していきます。色合いについては、絵を描き始めた頃から伝えることができるので大変重宝します。特に2才くらいからは色への関心が強くなる子どもが多いです。色を覚えるきっかけにもなりますよ。
- 好きな色を使ったんだね
- 青がいっぱいでかっこいい
- かわいい色だね
- たくさん色を使ったんだね
- きれいな色だね
- 色が混ざってて不思議だね
- この色どうやって作ったの?
構図に着目する言葉
1歳半から3才頃までに見られるなぐり書きは、次の工程に行くまでの重要な道筋です。この時期にたくさん褒め、描くことに慣れるのも大切だと感じています。描くことに慣れてくると色々な形や大きさのものを描くようになるので、そのこと自体に着目できる声掛けをしていきます。
- 力強いね
- 迫力があるね
- 大きく描けたね
- こんなに小さく描けるんだね
- 3つも描いたんだね
- 丁寧に描いたんだね
イメージしたものに着目する言葉
3・4才頃からは、子どもがイメージしたものを描くようになります。大人からみると、何を描いているのか分からないことも多いのですが、子どもは一生懸命描いています。「顔を描いたんだね」など、絵を共有しながらイメージしたものに着目する言葉かけをしていきます。
- (人物の絵に対して)○○○ちゃんだね、かわいい!、ママを描いてくれたの?嬉しい!、ここがそっくりだね、にこにこしてるね、足が長いね~
- (乗り物の絵に対して)乗ってみたいな~、かっこいいね、タイヤがたくさんついてるね、ライトもあったよね、速そうだね
- (食べ物の絵に対して)おいしそうだね、食べたいな~、いっぱい食べたいな
- (キャラクターの絵に対して)よく見てるね、ここがそっくりだよ、ひげもあったよね、色がいいね、目がかっこいいよね
工夫したところに着目する言葉
イメージしたものをおおまかに描けるようになってくると、だんだんと絵に工夫が見られるようになります。どこを工夫したのか一歩踏み込んで聞いてみるのもおもしろいです。大人がびっくりするような発想や、工夫点に気付きます。この頃は、実際の物を見て描いたり、図鑑を見て描くのも子どもにとってはとても楽しい遊び方になります。
- 工夫したんだね
- よく観察してるね
- なるほどね
自由な発想を認める言葉
子どもの発想力には驚かされることがありますが、子どもの自由な発想を表現できる場としておえかきは大変有効です。他の遊びではなかなか表現できないようなことも、おえかきなら表現することができます。子どもの表現力を高めるおえかきは、ぜひ大切にしたいですよね。自由な発想を認める言葉は、気持ちを込めて言えばOKです。子どもの絵にいろいろな想いがつまっています。
- うんうん
- なるほどね~
- おもしろい!
質問する
どんな絵を描いたときも使えるのが「これはなぁに?」という言葉です。子どもは大人に説明しながら、自分が描いたものを客観的に意識します。
特に応用が利く言葉
どんな絵でも使える言葉を考察してみました!
- おぉ~!
- 描いたんだね~!
- ステキだね
- 飾りたいな~
- ○○○ちゃんの絵を見るのが好きだな~
まとめ
幼児の絵は発達段階なので、大人にとっては何を描いているのか分からないこともあります。でも、発達段階だからこそ幼児の絵には、子どもの想いが詰まっていてとてもおもしろいのです。おえかきは、学習に必要な運筆力を養うことも出来、表現力もつく大切な遊びです。描けたこと自体を褒めたり、子どものイメージを受け止めたり一緒に広げていくことで、子どもも次第に描きたいものを描いたり、自分が感じたことを表現する方法を試行錯誤しながら習得していくことでしょう。
♪読者登録していただけると大変うれしいです♪